”メン馬ー”紹介 1

ジェット/JET (前ホクテンジェット)

1981(昭和56)年3月19日 北海道浦河郡浦河町生まれ
芦毛・牡 サラ

父:ラフィンゴラ サラ(英)
母:ヒサカタ サラ



ここに来た当時のジェットは、人間に対しての不信感を強くもっていたようで、目は血走ったように赤く表情
は険しかったそうです。何しろ馬房の前に立つと襲いかからんばかりだったそうな。
当時より、東京都渋谷区にある関東国際高校の馬術部員が練習に来るようになっていましたが、彼らが練
習に使うジェットをとてもかわいがってくれたのが、恐いジェットをまったく違う馬にしてしまいました。

ある日(もう十数年前)、数人の部員がジェット一頭に乗り替わりながら練習を終えました。(ジェットは乗って
いる分には、悪いこともせず、初心者にも乗りやすいタイプなのです。)
その日もジェットのおかげで、とても有意義な練習ができたので、ちぃ先生が「皆、ジェットにニンジンをあげ
てお礼を言いましょう!」と声をかけると、その時馬上にいた部員はもちろん、見ていた部員も皆でジェットの
周りを取り囲み、それぞれに抱きついたり、撫でたりしながら「ジェット!いい子だね!」「ジェット!ありがとう
!」と、口々に声をかけました。

その時をお父さん先生とちぃ先生がなつかしく思い出して言うことには、ジェットの顔に何とも不思議な表情
が浮かんだということなのです。今まで「人間なんて大嫌いだ」という感情丸出しだったジェットの表情が、明
らかに戸惑いの表情に変わり、「ボ、ボ、ボクって、もしかしていい子なの?」「皆ボクのことを好き!?」と言
っているようだったそうです。

それを境に、ジェットはまったく違う馬になってしまいました。それから今に至るまで何人の初心者のために
頑張ってくれたことか!もちろん今でも十分現役で「若い者には負けんぞ」と思っているかのようです。当分
はここでのボスの座を誰かに譲るつもりはないようです。
(2004年3月)



ジェットは、つい先日24歳の誕生日を迎えました。もうおじいちゃんもいいところですが、まだまだ現役で
頑張っています。初詣だって立派に先導を務めましたし!昨年春、実は大怪我をして獣医の先生にも
もうもたないかもしれないと言われましたが、ちぃ先生の手厚い看護にこたえ、見事に現役復帰をした
とっても根性のある馬です。


この1月、ちぃ先生が朝厩舎に来ると、驚いたことに
ジェットがレンファーラーと楽しそうにデートしていた
とか・・・。偶然のなせる業でしたが、ジェットやるぅ!
という感じでした。(その日は、マルトラックのやきもち
がすごかったらしいです。)

さて、左の写真のように、いつもこどもたちには大人気
です。いつまでも元気で、乗馬の楽しさを皆に
教えてあげてね、ジェット!
(2005年3月)